タイヤの起源・歴史
自動車が走る為にかかせないタイヤはいつ作られたのか?その始まりはいつなのか?タイヤの起源や歴史について説明させていただきます。
タイヤの起源
タイヤの起源は紀元前3000年頃のチグリス=ユーフラテス川河口域(現在のイラク)のメソポタミア文明のシュメール人が物を運ぶ為に木製の車輪を使用していたのが始まりだと言われています。
紀元前3000年頃のシュメール人の遺跡からはソリのようなものに車輪のついた壁画が発見されていて、その後の起源前2600年頃の遺跡からは4輪車が描かれたものが発見されています。
また、この頃のタイヤは木製の車輪で酒樽の蓋のような形で、外周に動物の皮を銅製の釘で止めたものであったようです。
鉄製タイヤ
起源前753年に建国された古代ローマで鉄製の車輪が使われました。この鉄製の車輪は、熱して膨張した鉄の輪を木製の車輪にはめて冷やす事で、車輪と鉄の輪がしっかりを固定されるいうものでした。
これは焼き嵌めという技術で、これにより車輪の耐久性と強度が上がり、輸送能力は飛躍的に向上した。
ゴム製タイヤ
ゴム自体を利用した歴史は古く、6世紀のアステカ文明、11世紀の南米マヤ文明にその痕跡があると言われているが、タイヤにゴムが初めて使われたのは、最近の事である。
また、15世紀にコロンブスが西洋文明に初めてゴムを持ち込んだというのが定説になっていて、1770年代に入り消しゴムやレインコート・防水布などに使われるようになり、ゴム製のタイヤとしては、1835年に車輪にゴムの棒を巻いて使ったもの(中が空洞になっていないソリッドタイヤ)が最初だとされているが、生ゴムで劣化しやすかったようだ。
この後、アメリカのチャールズ・グッドイヤーが1839年の冬のある日、ゴムに硫黄を混ぜて実験を行っていた時に、それを誤ってストーブに触れさせてしまった偶然によりゴムの加硫法を発見し、ゴムの精練に成功した。
チューブタイヤ
自転車タイヤの原型となるゴムに空気を入れたものを車輪に接着して使う方法を考案したのが、スコットランド人のロバート・ウィリアム・トムソンで、1845年の事である。これにより自転車の乗り心地は格段と良くなった。
1887年、スコットランド人の獣医のJ.B.ダンロップが、息子の三輪車で空気入りのチューブ式タイヤの実験を行い、初めて実用化されました。この年、ダンロップは空気入りタイヤの特許を取得したが、既に同様の特許は1845年にトムソンによって申請されていた為、後にトムソンと法廷で争う事になる。また、この空気入りタイヤは転がり抵抗の低減にも役立ち自転車に用いられるようになった。
1895年フランスのミシュラン兄弟はパリ~ボルドー間往復の自動車耐久レースに参戦したが、パンクの多発で失格となってしまう。
しかし、レースの途中では61キロの速度(優勝車の平均速度の2倍半ぐらい)を記録し、耐久性に難があるとはいえ、圧倒的な速度や乗り心地、グリップ力、安定性などに格段の性能を見せている。
翌年のパリ~マルセイユ間往復の自動車耐久レースではほとんどの車が空気入りタイヤを採用したと言われている。
その後、1900年代にはほとんどの自動車が空気入りタイヤを装着するようになりました。

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